クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
私のこういった趣味を理解してくれない男性も今までいた為、私はつい聞き返していた。

『俺の話聞いてる?』何度かそう言われたのは苦い思い出だ。

「いや、楽しいけどな。瑠璃が一所懸命考えているのを見るのは楽しいし」

揶揄われたような気もするが、そう言ってくれることは素直に嬉しくて私も白米に手伸ばす。

「帰ってきたら楽しみだな」
そう言ってくれる彼のために、私が張り切ってお菓子を作ってしまったのは言うまでもない。

今日も凛久さんは忙しかったようで、少し遅い時間に夕飯を食べ終わった。その後夜景を見えるソファーに座った凛久さんの前に、緊張しつつお茶と和菓子を並べる。

「デザートです」
小さな声で言った後、私はカーペットに正座をして背筋を正す。
凛久さんは自分では作らないとはいえ、あのパフェを考案するほどたくさんの店をまわり、たくさんおいしいものを食べているはずだ。
< 34 / 176 >

この作品をシェア

pagetop