クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
少し歯切れの悪い彼の言い方に、もう少し何かがあるような気がしてしまうも彼は話を続ける。

「あのパフェの甘さに合わせて緑茶をブレンドしてもらったんだが、やはり素晴らしい腕だった」

父を褒め続けてくれる凛久さんだったが、両親からもそんな話は聞いていなかったし、何か急なことがあったのかもしれない。

「もしかして、借金の対応をしていただきましたか?」
表立ってわからないぐらいだが、少し表情をこわばらせた彼にやはりと確信をする。

家を差し押さえに来るほど窮地に陥っていた我が家だ。凛久さんの会社に業務提携をするぐらいでは返せる借金ではないし、もちろん凛久さんが何とかしてくれるつもりで私に契約結婚をもちかけたのもわかっている。

この結婚がその代償と言われればそれまでなのだが、やはり私が彼に恋心を抱いている以上、私にはメリットしかない。

かなりの額を肩代わりしてもらうのは、申し訳なくなってしまう。
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