クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
「今の負債は負担した。でもこれからはやはり業績を上げて行かなければいけない。お義父さんの腕は本物だし、あのお茶を使ってビジネスを成功させればきっと大丈夫だから。俺だってまったく利益のないものに投資するほど馬鹿じゃないよ」

その言葉の真意を確かめるように、私は彼を仰ぎ見た。まっすぐに力強いその瞳が私を捉えている。

「ありがとうございます」
素直に伝えれば凛久さんは満足そうに微笑んだ。

「それで俺からもお願いがある。一度父に会って欲しいんだ。妻として」
そこでハッと我に返る。彼は結婚しなければいけないから私を妻にしたのだ。実家の問題をきちんと対応してもらったのだ。それは当然の話だ。

「もちろんです」
答えた私に、凛久さんは静かに話を始めた。
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