クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する

彼らと知り合いのはずはないし、何がんなんだかわからなくて問いかけていると、目の前の男性たちはそそくさとその場から去って行った。

「瑠璃」

「はい？」
デートと彼に会えた喜びでニコニコしながら、首を傾げつつ返事をすれば、道端にもかかわらず凛久さんはそっと私を抱きしめた。
え！　その驚きで私は声すらでなかった。

「今のナンパだよ。まったく危なっかしいな……」
最後はぼやくように言った彼に、私はそんなわけはないと彼の腕の中でいそいそと声を上げる。

「私なんかナンパする人いないですよ。何をいってるんですか」
そう伝えた私に、凛久さんは私を離すと、当たり前のように手を取って歩き出した。

「瑠璃は自分のことわかってなさすぎじゃない？　今日もそんなかわいい服着て」
ストレートに褒められ、頬が一気に熱くなる。
凛久さんにかわいいと思って欲しかったのに、いざ声に出されるとどう反応していいかわからない。