クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
「ごめん」
口元に手を当てて何かを呟いた凛久さんは、気を取り直したように私に口を開く。
「それはそれで持っていてもらうとして」
そう言うと凛久さんは路面店の有名なアクセサリーショップへと入っていく。
「凛久さん?」
急にどうしたのだろうと思っていると、ネックレスやブレスレットのコーナーへと向かう。綺麗な女性の店員がにこやかに私たちに挨拶をしてくれる。
「俺が送ったものも付けていて欲しいから」
そう言うと彼は何点かをガラスケースから出してもらうと、私の首にそれを付けてくれる。
「かわいい」
シンプルなデザインだが、ダイアモンドが輝くネックレスに私は声を上げた。もちろんハイブランドで買ってもらうのは申し訳ないと思っていたが、凛久さんは「これを」と口にした。
「凛久さん!」
こんな高級なものをもらえない。そう伝えようとした私だったが、それを彼は阻止するようにクレジットカードを出してしまった。