クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する

凛久さんも、同じショップで購入した、グレーのジャケットに同じ記事のグレーのパンツにインナーはシンプルなホワイトのシャツを着ている。
運転用なのか、サングラスをかけて運転する姿はまるで雑誌の一ページのようだった。
「緊張してる？」
ジッと見つめたせいで何かをいいたいのかと思われたようで，チラリと彼が私に視線を向けた。
「いえ、あっ。やっぱりはい」
一度否定してみたものの、緊張をしていたにと言えば嘘になるので私は素直に肯定する。
「だよな。本当に悪い」

「いえ、そんな。これが私の役割ですし」
このために結婚したことはよく理解しているつもりだったが、自分で言って少し悲しくなってしまう。

そんな空気を悟られないように言葉を続ける。
「なるべく穏便に進められるよう、私もがんばりますね」
ニコリと笑顔を作って言えば、凛久さんは少し難しそうな表情を浮かべた。