クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
鼻で笑うように言うと、お父様は私たちの前に腰を下ろす。

「瑠璃と申します」

今まで感じたこともない威圧感に、これが世界的企業の社長になった人だと感じる。
さっきまでは、どうやって挨拶をして、凛久さんとのことを信じてもらうには何を言う。そんなシミュレーションをしていたが、そんなことはすべて頭から飛び、真っ白になってしまう。
ただ、頭を下げている私にかまうことなく、お父様は凛久さんを見据える。

「どこからつれてきた? 金で拾ってきたんだろ」
静かに言われ、私はビクっとしてしまう。

「調べたのか?」
苛立ちとともに問う凛久さんに、お父様は「あたりまえだろう」と答えた。

「自分の資産まで使って、そんなに私に反抗したいのか?」
そのセリフに凛久さんは膝の上で、爪が食い込むほど手を握りしめる。

「今日は、ただ報告に来ただけだ。約束通り三か月以内に結婚した。それだけだ。瑠璃行こう」
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