クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
こっそり見ていることに気づかれないように、私は平静を装いながらバックスペースに戻った。

「瑠璃ちゃん、ありがとう」
デスクでパソコンで仕事をしていた店長の声に、私も笑顔でそれに答えた。

「支度してすぐに外に出ますね」
彼がいるからではない。自分自身にそう言い聞かせながら伝えれば、店長が話を続ける。

「今日もあの和パフェの注文が多いと思うの」」

「大人気ですよね」
“極み“和パフェはここスタンリーRカフェの人気商品で、若き社長自らこだわって作ったと聞いている。

インスタで紹介されて以来、それを目当てにやってくる人がとても増えたのだ。
あっさりとした抹茶と緑茶のゼリーと抹茶のアイスクリームが二種類。乳脂肪分の割合にもこだわっているようで、それぞれ舌触りが違うように計算されていてとてもおいしい。
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