クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する

急いで起きて謝ろうとすると、まだふらついてしまい目を閉じる。

それを彼が背中を支えてくれる。

「まだ横になっていなきゃだめだ」
そっとベッドに横たえられ、私はおとなしくそれに従う。しかしあの場を乱した上に、ここに社長の凛久さんがいることはきっといけないことだと思う。

「本当にごめんなさい。あの試食会はどうなりましたか？」
矢継ぎ早に問えば、凛久さんは優しく微笑んだ。

「雅也、副社長が後を引き継いだから大丈夫だよ」

「そうですか。よかった」
取りあえずその答えに安堵する。しかし、もう仕事に行ってもらても大丈夫だともい口を開く。

「ついていてもらって本当にすみません。凛久さんも仕事に行ってください」
申し訳なくて目を伏せれば、そっと髪を撫でられて驚いてしまう。

いつの間にか病室には二人きりになっていて、私は目をパチパチとした。