クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する

小さく頷くと、彼は優しい笑みを浮かべてくれた。

慣れ親しんだ家に戻ると、凛久さんは私をソファーに座らせる。

「あの、夕食の支度しないと」

「今日は頼もう。何か食べたいものは？」
体調を心配してくれているようで、スマホを手に凛久さんは私に問いかける。

「ゆっくり休んだので本当に体調は大丈夫です」
そんな私の言葉を軽く流すと、彼はどこかへ電話をしていた。

「適当に持ってきてもらうから、瑠璃は座ってて。そして俺と話をして欲しい」
改まって言われてしまい、ドキッと胸が音を立てる。帰ろうと言ってくれたから、少し安心していたが、自分から結婚をやめたいと言ってしまったのだ。
どんな内容の話なのか分からず、キュッと唇を噛んだ。

「まず、無理させてごめん。実家で疲れただろ」
とりあえず聞きたくない話ではなく、慌ててそれを否定するために頭を振る。

「いえ、私こそなんの役にも立てなくて本当にすみません」