初恋
「……そっか…」
好きな人に彼女がいる。
それは、自分じゃどうしようもない。
…変えることのできない、現実。
『…笑っちゃうよね。
あんなにはしゃいじゃってさ。
……よく考えたら、当たり前だよ。
清水くん、カッコ良いし……ッ。
あはッ』
莉央………
「無理して笑わなくていいんだよ…」
泣いていいんだよ。
叫んでいいんだよ。
無理しないでよ。
こっちまで辛くなる。
『無理してない……もん……ッ
平気―――…ッ』
「…莉央」
『―――……ッ』
「莉央」
『もぉヤダ……
いつの間にか
こんなに好きになってたなんて…
辛いよ……姫芽…ッ
もぉ……ヤダよ』
――…莉央の気持ちが
痛いほど伝わってきた。
「莉央…。
本音言ってくれて、ありがとね」
『……ぅん。
姫芽には言わなきゃダメだと思って…』
「…うんっ」
『……泣いたらちょっとスッキリしたかもしれない…
…ありがと』
その後10分くらい話して、電話を切った。