初恋
【着信 彰】
……なにコイツ。
メールの返事はして来なかったくせに。
なかなか電話が切れなかったので、あたしは仕方なく通話ボタンを押した。
「――もしもし…」
『お前、なんだよあの無愛想なメール!』
「はぁ??
意味わかんないメールしてきたあんたが悪いんでしょ!?」
『意味わかんなくないだろ。
一緒に学校行くんだよ』
「はぁ…。
だから、なんで?」
『お前、とりあえず家出ろ』
「……え」
『もう家の前いるんだな〜♪』
「はぁぁ!?」
『いいから出てこい』
「……わかった。
電話切るね」
『おう』
あたしは静かに電話を切った。
もう……
ホントになんなの?
意味わかんない…
あたしはカバンを持って、家を出た。
「よっ」
さっきの電話の相手が、あたしを見つけたとたん笑顔になる。
「……」
「姫芽、なんか怒ってる?」
「あたりまえじゃん」
「え〜なんで?」