わたしたち、別れます。
その後、LINEのやり取りはあったものの特に何ということもなく、新年が明けた。
私はいつも通り、姫奈と唯香、美優と遊んだり、合コンに出たりした。慶斗が言う「話」を忘れた訳ではなかったが、付き合ってるのかと聞かれたら、私たちは付き合っていないになるのだろうと思ったからだ。
しかし、しばらくしたときに一通の紙の手紙が届いた。お洒落な便箋に、4本のガーベラが描かれた封筒。



『るるへ

お久しぶりです。久しぶりに手紙なんて書くから、緊張しています。
まずは、5年間ありがとう。でも、もうすぐ、6年になるのかな。
俺はもう長くありません。でも、この世界に悔いが残らないように、るるに手紙を書こうと思いました。
今まで楽しかった。るるは、ちょっとわがままだけど、それを自覚してて、でもわがままになっちゃうツンデレなところがあって。毎日がとても楽しかった。
病気がわかってからは少し自暴自棄になって、るるに嫉妬してもらいたいなとかも思って、他の女の子と出かけたこともありました。でも、やっぱりるるじゃないとどこか落ち着かないし、楽しくなかったです。
半分家族みたいになっちゃって、いろいろと慣れすぎちゃって失敗したけど、これからはそんなことにならないように頑張ってね。
良い人を見つけて幸せになってほしいです。じゃあね。
   
                                   慶斗』
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