わたしたち、別れます。
慶斗と、わかれた。

高校時代、カタオモイ。

「おっはよー!!慶くん」
「おはよ。今日も元気だなぁ…」
「じゃあね!また明日!」
「おー、寝坊すんなよー」
朝一番一番に挨拶するのは慶斗。お別れの挨拶をするのも慶斗が最後。「るる」って一番多く呼んでくれるのも慶斗。
私の高校時代は、慶斗と共にあった。
修学旅行の写真も。体育祭の写真も。文化祭の写真にも。
どんな写真にも、二人で写っていた。
高校一年生の春。慶斗と隣の席になったことがきっかけで、私はあっさり恋に落ちた。しかし、その時の私に告白する勇気もなく、何もないまま1年と半年が過ぎた。運良く2年生でも同じクラスだった私は、今こそ告白するしかないと思って、10月。告白をした。
「私と、付き合ってくださいっ!!」
そのときの戸惑ったような申し訳ないような彼の顔は今でも忘れられない。
「…えっと、ごめんなさ…」
「あのっ!!!」
断られる、と思って、慶斗の言葉を遮り、心のままに叫んだことは昨日のことのように覚えている。
「クリスマス!クリスマスまで、言わないで!私、もっと頑張るからっ!!」
「お、おう…」
私の押しに負けた彼は、その日から私のアタックを受けることなる。
「おはよう金納くん!」
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