いやだ!隣人は凶悪犯人?~もしかしたら殺されるかも知れないのに恋してます!~
「ネット上でボロクソ書かれて、悔しくないんですか!?」

私はしばらくその素敵な凶悪犯人...では無く!

私のお隣に住むそのミツオくんに思いっきり叫んだ。

☆「そんなこと言われたってさぁ? どうしよもないじゃんか...」

「もー! どうしてそんなのんびりしてるんですか?! 警察に電話するとか、グループ作って反論するとか...

信じられないくらい酷いこと書かれてるんですよ?!」

☆「まぁーね♪」

「まぁーね?!」

☆「ハハ、だけど実際はこの通り普通に生活して、バイトして、友達と遊び、勉強する。

..ちょこっと...ねぇ♪(パチ)」

「ってウインクしてる場合ですか!」

☆「まぁー大丈夫、心配してくれて..ありがとうな...初対面なのに」

「そりゃー心配しますよ。この界隈に凶悪犯人がいるってネットで噂になってるし...

しかもワタシの隣に住んでるって書かれてれば誰だって不安になります......

でも怖くないんですか? ...傷つかないんですか?!」

☆「..そりゃあ傷ついたし、怖かったよ。

最初はパニックになって頭抱えて電気も付けずに、一日中部屋でボーとしてた。

そしたら携帯が鳴ったんだ。

おい! どうした? 何かあったのか?

って...その時だった。

もう周りに相談するしかないっていう..

単純な事が頭に浮かんだ。

ここの大家さんにだって俺が殺人犯って噂されてるけど、そんなこと俺は絶対やってないから大丈夫だって説明したし...」


「大家さんは、その時なんって言ったんですか?」


☆「大丈夫だって。

私はそんな噂、絶対信じないって言ってくれた。

あの人うるさいけど優しいからなぁ......」


「......そうだったんですか。

なんかワタシ...何も考えずにネット情報を鵜呑みにして...相手がどういう表情するかも考えずに...

ごめんなさい...ホントにごめんなさい!!」


☆「...なんか騒いだり、しんみりしたり、忙しいんだね..キミって...」


「許してくれますか?」


☆「いやぁ許すも許さないも、最初から怒っちゃいないしさ」


「ホントですか?......良かったぁー」


☆「ところでさ...その大根、1人占めする気?」


「はぁ?...えっ! これですか?

いやこれは大家さんに頂いたんです。急に...」


☆「良かったら半分くれる?」


「えっ! ..ええ! もちろん...喜んで!」


☆「そうだな、おでんは材料が無いから無理だし...う~ん...よし! 決まった。

醤油煮込みでいいな?」


「はい!」


☆「よし! じゃあ1時間くらい経ったら取りに来い?」


「...はい!」


わぁぁなんなんだろう...この気持ち...申し訳ないやら、教訓になったやら、優しくありたいやら......どうして、どうして......


あなたは、そんなに優しく笑えるんですか?


苦しい思いをしたのにもかかわらず、なぜだろう...あの優しさ..何処から...

~ネットの皆さま、私からの報告です。

皆さまが噂する凶悪犯人を私はこの目ではっきりと見てきました。

その人は初対面の私や少しうるさい大家さんその他、沢山の人に優しく接してくれる、とってもとっても素敵な方でした。

間違ってもネットで言われてるような人では、決してありませんでした。

以上、その凶悪犯人を目の前ではっきりと見たワタシからの報告でした。

もし皆さまがワタシに疑いを持つのでしたら一度その凶悪犯人を間近でご覧になって見てください。

ps その凶悪犯人は、料理がすごく得意でした!。

(大根の醤油煮込み美味しかったなー♪)
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