妄想爆裂・ギルガメシュ叙事詩(神殿聖娼・シャムハト)
その個体(♂)は、
4メートルほど近づいた段階で、止まりました。

副音声・
「ふーーーーん、そぉかぁ」

長年の経験・手練れの姉さんは、
主導権は自分にあると、確信したのです。

今度は
姉さんが動いて、間合いを詰めます。

二人は向き合う所まで、来ました。

姉さんは、両手をその個体(♂)の肩に置いて、
少し力を入れて、下に押すと
抵抗することなく、
膝ががくっと折れて、ひざまずきました。

そのまま、その個体(♂)は
不思議そうに、見上げています。

姉さんもひざまずき、
指先で髪をかき分け、その個体(♂)の目が、見えるようにしました。

副音声・
「ええーー、顔もギルガメシュ王と、そっくりじゃん」

しかし、その瞳は幼児のように幼く、澄み切っています。

そこんとこは、あの小ずるい王とは違う。
ピュアなんだわぁ。

副音声・
「結構、カワイイかも」

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