PRAY
第1章

終わりは始まりに等しい

どのくらい時間が経ったんだろう。瞼が妙に重い。いや、身体全体が痺れたように動かない。
それ以外に外傷は無いように思えた。

金縛りとはまた違う、僅かに痙攣するような感覚を噛み締めながら息を潜めた。

制御が効く眼球を動かし、場所を調べた。

(…ここは、牢獄?それにしては随分と年季がたっているような……。)

牢獄であろう壁は研磨された石が小口積みにされており、所々コケが生えている。

ふと目線の先に、何か文字らしきものが石に刻まれているのが見えた。

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