どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
ここまで本音で話せると思っていなかった。
未練なんてなかったけど、心の中に確実にあったわだかまりがとけていくのがわかった。
「話せて良かった、社長と」
「ああ、俺も。吉岡が変わってなくて嬉しかったし、今幸せそうだから良かった」
「小久保のおかげだね」
「だな。俺達が結婚することができたら、その時は二次会の司会でも頼むよ。佐竹とふたりで」
「え~!やっていいの?嬉しいけど、あんた社長だよ」
「はは。わかってる。でも、二次会くらいは好きにしたいよ」
この調子だと、トントンとうまく結婚までいけるかもしれない。
社長に会うたびに、チクンと胸が痛んでいたけど、これからは堂々と背中を叩いてやる。
小久保のおかげで、私も前に進める。
ちゃんと、佐竹との結婚のこと考えようって思った。
「で、本気で小久保のこと大事にしてよね」
「もちろん。万由を幸せにできなかったら、俺は男として終わり。ちゃんと、考えてる」
「ドラマみたいな、ドロドロしたのイヤだからね。婚約者が出てきたり、親族から反対されたりそんなの、巻き込まないであげてよ」
社長は、ケラケラと笑って、日本酒を飲み干した。
「安心しろ」
「うん、信じてる」
約2時間の夢のような時間だった。
社長と話せたことで、嘘みたいにスッキリしている自分がいた。
好きだったと言えたことが、嬉しかった。
こんなあたしだけど、やっぱり女の子だもん。
好きって言いたかったんだ。
吉岡先輩SIDE END