どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「まだ、ダメです。社長」
「ちょっと、休憩。これ、社長命令だから」
首を後ろに向けられた私は、圭史さんの熱いキスを受け止めるしかなかった。
「ん……っ、んんっ、は、ぁ」
激しくなるキスを止めようとしても、力強い腕は振りほどけなくて……
こんな優しくて甘過ぎる社長なのに、仕事はできて、普段は別人なんだよね。
「明日、パーティーがある。どうしても行かなければいけない。ごめんな」
キスの合間に耳元で囁く。
「いいよ、仕事だしね」
「先週正式に契約を結んだ会社のパーティーで、そこの娘さんを紹介されることになってる。親父には、そういうつもりはないと伝えてあるし、俺もそのつもりだけど……万由には嫌な思いさせちゃうな」
おでことおでこをくっつける。
これ、すごく落ち着く。
「うん。ちゃんと話してくれたから大丈夫。ありがとう」
こういうの、ほんとに多くて……
早く慣れないといけないけれど、毎回ソワソワモヤモヤしちゃう私。
「終わったら、会いに行くから」
「うん」
時々思う。
忙しい圭史さんに余計な苦労をかけているんじゃないか、と。
仕事に集中できない環境を作っていたとしたら、彼女失格だなって。
「はぁ~今日も万由に会って癒された」
そんなことを言ってくれるから不安が消える。
その繰り返し。
こうして、少しずついいふたりになっていければいいな。
圭史さんの隣にずっといられるように、私も強くなりたい。