どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
Love22 会いたい気持ち
Love.22 会いたい気持ち


その日は、お酒も飲んでいたので、ぐっすり眠ってしまっていた。

夜中の着信に気付くはずもなく。


夜中の1時過ぎに、圭史さんから一度着信があった。
朝、すぐにチャットアプリでメッセージを送ったけれど、返信はなかった。


何のトラブルなのかわからないけど、出勤すると社内は少しバタバタしていた。

圭史さんも、仕事に追われているんだろうなと想像できる。



その日のランチは吉岡先輩も佐竹さんもいなかったので、ひとりで社員食堂へ行った。

めったに社食は食べないのに、今日に限ってどうして。
斜め後ろに座っていた秘書課の女性達がこっそりと話しているのが耳に入ってくる。


「社長いつ帰ってくんの~?最近、ランチ連れてってくれないから社食ばっかり飽きた」

「吉田さんも、ハゲ常務もいないから、楽だけどね」

「てか、土曜のパーティー、どうだったの?」


食べることも忘れて、私の耳はダンボ状態。

秘書課でも一目置かれている主管秘書さん。


「相談役、かなり気に入ってたから、今度こそ結婚あるかも」


誰の話をしているんだろう。

圭史さん?
圭史さんには兄弟もいるし、たしか彼も独身のはず。


「かわいいって言うより、美人タイプかなぁ?英語堪能とか言ってたし、海外に進出したい社長からしたら、もってこいの相手じゃない?」


やっぱり、圭史さんの話か。

聞かないようにしよう。



「あ~、やっぱり私達じゃ、奥さんにはなれないよね」

「愛人くらいならいけんじゃない?」

「え~!愛人かぁ。でも、どうなんだろ。社長って仕事はデキるけど、彼女に冷たそうじゃない?」

「想像できないよね、彼女いるのかな」


やっぱり聞いてしまう。


「え~、彼女にはめちゃめちゃ尽くしたりして。私達にはそっけないけどさ、たまに優しい日あるじゃん?そういう時、ちょっとキュンとするよね」

「そうそう。資料渡した時に、あの人絶対目、見るじゃん?あの、無言のアイコンタクトな感じが私好き~!」

「はははは!すごい細かいとこ来たね!それわかるけど、私はコーヒー出した時に、うまいなって言ってくれた時がツボだな」


私の知らない圭史さんの話だった。それは嫉妬とかじゃなく、少しウキウキとした気持ちで聞いていた。


私はまだ資料を渡してアイコンタクトしたことないし、コーヒーいれたこともない。

いろんな圭史さんを知っていて、秘書課の皆様、うらやましい。

やっぱり、恋してるんだな、私。

と、現実逃避。
嫌な情報は信じない。





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