どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「で、その社長令嬢も、社長のこと気に入ってた?」
「そんなの当たり前だよ。元々、どっかのパーティーで社長のこと見て、それからずっと紹介してほしいって頼んでたみたい」
「じゃ案外早くゴールイン?」
「私達、クビにされないかな?嫉妬されそう~」
「秘書と社長ってエロい関係想像されんもんね」
昼間からキツイ話題で、もうご飯どころじゃない。
「一切ないのにね。でも、もしあっても絶対秘密にするでしょ。誰かないの?」
「あっても、確かに言わない」
「うふふふ」
「え~!何その笑い」
「想像しただけだよ」
「社長室で、とかね」
「ドラマみたいだ~!誰か一回くらい抱かれてみてよ」
「え~!!無理無理!!」
「誰も誘惑したことないだけで、案外簡単に落ちたりして」
「全員で攻める?」
「やだぁ……、もう私達、最低な会話してんね」
「社長が大変な時だっていうのにね~」
「今、ほんとに大変だよね」
この会話を聞いていて思ったのは、社長は秘書課の皆さんに愛されている。
何も心配はないなと思った。
冗談で言っているだけで、そんな気がある人はいなさそうだった。
それよりも、心配なのは……
社長令嬢と、『社長が大変な時だ』ということ。
大丈夫だって言ってくれた。
守ると言ってくれた。
いくら、相手の社長令嬢が美人で英語が話せて、圭史さんのことを大好きになったとしても、大丈夫だと信じよう。
それよりも、今は、圭史さんにとって大変な時期である今をどう支えるか、を考えよう。
ケンカは、そのあとでもできる。