どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
顔を上げると、戻ってくる圭史さんが見えた。
話したい、ちゃんと。
誤解されたくない。
不安にさせたくない。
と、視線を送ると、目が合い、そして、そらされた。
え、えぇ……どうしよう。
やっぱり新井君のこと誤解してるのかな。
それにしても、吉岡先輩ってすごい。
本当に、新井君が私を好きになりかけていたなんて。
新井君のことは、これからも同僚として仲良くしていきたい。
今までも、私は相手の方から好きだと言われても、結局相手を好きになれなかった。
だから、片思いが多い。
圭史さんとの恋は、初めてと言っていいくらい、同時に好意を持ったんだよね。
「これ、焼けてますよ」
振り向くと、新井君がソーセージを私のお皿に乗せてくれた。
「ありがと~」
熱々のソーセージにかぶりつく私を見て、優しく微笑む新井君。
「…………」
あれ?また圭史さん……見てた?
視線の先の圭史さんと目が合うと、またそらされた。
……まさかね。
やっぱり圭史さんでも、嫉妬とか……するんだよね。
私はささいなことですぐに嫉妬しちゃって、困る。