どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「……っ!!痛いよ」
「社長だからって、大人だからって……この感情は我慢できねぇんだよ」
痛いくらいにぎゅっと抱きしめられて、その力強さに圭史さんの愛を感じる。
「ごめんね。ごめん」
「告白でもされてたんだろ」
同じ会社の社員だし、そこは否定しようと思ったけど、できなかった。
「うん」
「安心しろ。公私混同はしない。新井の仕事にマイナスになるようなことをする程、俺はバカじゃない。むしろ、俺の彼女に手を出すなんてその勇気に賭けたくなる」
「ふふ……社長の彼女って知らないよ。それに手とか出されてないし」
私は、告白というより、これから好きになるかもしれない、と言われたことを話した。
圭史さんは、子犬みたいな瞳で私をじっと見つめる。
「それは、もう好きってことだよ。俺も、好きになっていい?って聞いた時にはもう好きだった」
「えっ……」
返事ができないでいると、耳たぶを噛まれた。
そして、甘噛みから優しく舌で舐め始める。
「ん……圭史さん……」
「俺の前で、他の男と仲良くすんな。頼むから」
「うん」
「仕事では仕方ないけど、あんな笑顔向けるのだけはやめてくれ」
私は自分が新井君に好意的な笑顔を向けていたことを自覚していなかった。
「無意識に、お前はいろんな人に隙を見せているんだよ。もう誰からも告白されないように、壁作っとけ。それができないなら、俺が束縛する」
圭史さんから束縛という言葉が出て驚いた。
そういうタイプではなさそうに見えた。
「俺に束縛されたら大変だからな」
首筋を舐め、そのまま鎖骨の辺りを刺激され、私は圭史さんの体に手を回した。
「ん、ぁ……ご、ごめんなさい。ちゃんと断ったから」
「当たり前だろ。期待持たすような断り方してないだろうな」
「ちゃんと、好きな人がいるって言った」
そう言うと、満足したのかいつもの優しい圭史さんのキスのご褒美。
「……ぁっん、んっ」
胸に伸びた手が激しく動き、キスも激しくなっていく。
芝生のチクチクを背中に感じながら、私の上に圭史さんが覆いかぶさる。
それから何度も、数えられないくらいのキスをして、ちゃんと仲直りは完了した。
「不安にならないでね。私、圭史さんのことが好きだから」
「わかってるけど……わかってるけど、ありがとう」