どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
Love30 新たな一歩
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私の知らない話ばかりで、何が何かわからない。
台湾?
出張?

3か月も台湾出張に行くなんて、そんな話、知らないよ。

圭史さんも戸惑った表情だった。
強い口調で言い返す。


「ちょっと待ってくれよ。現地には、岡田部長が行く予定で会議でも決まったはず」

「それを、お前がやってこい。3か月お前がいなくても会社は動いている。実際に現地へ行って、自分の目で見て、やってこい」

「3か月会えない間に別れると思ってるんだろ」


圭史さんは怒りを我慢したような低い声でそう言った。


「そうではない。私は別に別れなくてもいい。結婚は別だが。でも、この子のことがそれほど大事でどうしても一緒になりたいというのなら、それを形として見せてみろ。それが出来るようなら小久保さんも、仕事を辞めてもらって構わない」


覚悟はしていた。
会社を辞めろと言われるんじゃないかと。


「辞めずに、この会社で働くことは難しいですか?」


私は強くそう言った。


「親父、万由は辞めさせない。これからもずっと。同じ会社にいて、何が悪い。これから、社員同士が結婚しても、そのスタンスは変えないつもりです。本人と周りがOKならそのまま働いてもらう、と決めてます」

「小久保さん、圭史の妻になるということはどういうことかわかりますか」

「はい。社長を支え、妻として、社員みんなを支える立場になるので、ものすごい責任だと思っています」

「それでも、一緒になりたいのはどうして?」



改めて聞かれると、答えに困る。

だって、理由がたくさんありすぎるから。




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