どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「……あの……っ」
「……もう、どこまで俺の心、揺さぶるんだよ」
痛いくらいに強く抱きしめられた。
こんな抱擁、生まれて初めてだった。
魂を掴まれるような、強くて熱い抱擁に、私の想いは溢れ出した。
「社長……好きになってもいいですか」
もうこんなにも好きなのに。
こんな質問をしても、社長を苦しめるだけなのに。
「俺を好きになっちゃダメだ。でも……俺も、お前のこと好きになってもいい?」
抱きしめる力を緩めた社長は、顔を近づけて私の目をじっと見た。
「ダメだって言ってくれ」
「ダメだなんて言えないです」
「もうどうしていいかわかんねぇよ、俺」
「私、もう、好きです」
ゆっくりと近づく唇。
初めてのキスとは違い、確認するように静かに重なる唇。
少しひんやりとした社長の唇が、私の唇を挟み、優しく何度も重なり合う。
お互いを確かめ合うような優しい柔らかなキスだった。
そして、温かいものが私の舌に絡みつく。
「……んっ、……っ」
だんだん激しくなるキスにもう意識が遠くにいきそうになる。
椅子がキキキ、と音を立てる。
舌先で私の舌を刺激し、唇と舌で私をとろけさせる。