どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「ごめんな、好きになった」
私の舌を唇で吸った社長は、優しく微笑み私の髪を撫でた。
「ダメだけど、好きだよ」
そう言って、抱えるようにして私を窓辺へと連れて行き、キラキラした夜景を背中に私は社長を見つめた。
そっと、おでこにキス。
「名前、社員全員覚えてるわけねぇだろ」
少し眉を下げた社長はそう言って、私の頬に頬を当てた。
耳にかかる吐息。
「お前のことは、ずっと知ってた。好きになるとは思ってなかったけど、いつも笑顔で俺に挨拶してくれて、怖がらずに普通に接してくれたこと、嬉しかったんだ」
「社長…… 私も、入社した時から、ずっと憧れてて。社長に優しく挨拶されて、ドキドキしてました」
耳たぶを唇で挟む。
「それは、全く知らなかったな」
「私も知らなかったです」
耳たぶを優しく噛みながら、普通に話す社長に、私も感じていないフリをしていたけど、体は熱くて仕方なかった。
――ピー
FAXの受信音が鳴り、ここが会社なんだと改めて気付く。