どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~

家に帰ると今日もいい香りがしている。

圭史さんがプレゼントしてくれたハーブティーのセットは、あと少しでなくなってしまいそう。

お母さんは、嬉しそうに毎日飲んでいる。

そのおかげかどうかはわからないけど、前よりは元気になっている。


家族の会話が増えたということもあるかもしれない。


もしかしたらお母さんはずっと、寂しかったのかもしれない。

心を閉ざしたお兄ちゃんと、出張ばかりで話も聞いてくれなかったお父さん。

私に心配させないように気を使っていたお母さんは、疲れてしまったんだと思う。


その日私は、明日圭史さんにどんなプレゼントを買おうかと考えながら眠った。



『万由、好きだよ。これからずっと一緒にいよう』


「えっ!?えっええ!?」


夢に圭史さんが出てきて、それだけで胸がドキドキして朝からいつもと違うテンションだった。

夢の中にいた圭史さんはタキシードを着ていて、映画俳優のように教会で私に手を差し伸べていた。



いつか、現実になると信じてる、未来の私達。


今日は電話かかってくるかな。

おはようのメールがなかったからちょっぴり寂しいけど、きっと夜にはメリークリスマスって電話があるはず。





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