どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「びっくりした?」
「びっくりするよーーー!!だって」
と、そこで、吉岡先輩と圭史さんの計画的待ち合わせだと気付く。
「吉岡、ちゃんと演技できてた?」
「完璧すぎて、1ミリも疑わなかったよ」
「どっかから俺たちのこと見てるんじゃないか」
とふたりでキョロキョロした。
「バラの花束なんて持ってるし~!」
「これは、吉岡からの命令だったんだよ。絶対バラの花束がいる!!とか言ってな」
「映画のワンシーンみたいだったぁ」
大好きな圭史さんの顔を穴が開くほど見つめた。
少し日に焼けた肌。
離れて、強くなって、寂しさをコントロールできるようになったと思っていたけど、やっぱり寂しかったし、会いたかった。
「圭史さんの匂いだぁ」
「はは。バカだな」
抱き合ったまま、ツリーの下で見つめ合う。
そして、そっとキス。
人前でキスするなんて、私の人生に訪れるはずのない出来事なのに。
「万由、結婚しよう」
圭史さんからの、プロポーズ。
何度も夢に見た、この日が……
こんな素敵な場所で、素敵なシチュエーションで。
「圭史さん……夢じゃないよね……?」
「ああ、夢じゃないよ」
「相談役との約束は?」
「もう大丈夫だ。ちゃんと解決して……ようやく言えるよ」
見つめ合い、もう一度言ってくれた。
「万由、結婚しよう」
「はい、お願いします」
涙、止まらなくて……
「圭史さぁん、うぐぐぐ、嬉しいよぉ」