どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
胸に顔を埋めると、圭史さんはポケットから何かを取り出した。
「これ、婚約指輪」
私の薬指にぴったりとはまるダイヤの指輪。
「ありがと…… 圭史さん、もう私……幸せ過ぎておかしくなる」
「寂しい思いさせてごめんな」
感動の再会の後、
圭史さん が予約してくれた社長室と同じ22階のレストランで、食事をした。
そこで知った。
指輪のサイズも吉岡先輩から聞いたこと。
そういえば、吉岡先輩が佐竹さんからもらった指輪を私にはめたことがあった。
同じくらいだね~って話していた記憶が。
「もう、ふたりとも、サプライズしすぎだよ」
「ま、人生で一回だから、驚かせたくて。今日は、帰れるから本当にギリギリまでわからなかったんだ。でも、クリスマスはどうしても一緒に過ごしたくて」
スペイン料理を食べるのは初めてだった。
とても美味しくて、美味しい美味しいと何度言ったかわからない。
「仕事、まだかかりそう?」
「2月くらいかな。そこから帰国して、あと少し日本で準備して、終わる。結婚は、来年の秋くらいにどうかと思うんだけど、どう?」
赤面する私。
結婚、するんだあ。
結婚できるんだ、私。
圭史さんと……
頭では何度も想像したけど、実際にプロポーズされると、なんだかまだ信じられない。
「うん!!うん!!いつでもいい!!」
「お、そうか。いろいろ準備もあるし、お前も自分のやりたい結婚式にしていいから、いろいろ考えて、最高の式にしような。俺が社長だとか考えなくていいから」
「でも、会社関係の人呼んで披露宴しないといけないでしょ」
「大丈夫。それは結婚してからお披露目パーティー的にやればいいから。結婚式と披露宴はちゃんとお前の友達も呼んで欲しいから」
圭史さんはいろんなことを考えてくれる。
私のことを一番に考えてくれる。
そして、会社のこと、周りのこともちゃんと考えているんだよね。