どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
相談役への説得は、圭史さんの立ち上げた新しいプロジェクトの成功で、なんとかうまくいったように見えたのだけれど、例の社長令嬢への対応を失敗してしまった圭史さんに相談役がお怒りになり……
社長令嬢は、『私を知って欲しい』とデートの申し込みをしつこく続けた。
私は行ってもいいよ、と余裕ぶって言ったけど、圭史さんは自分の気持ちを曲げず、断り続けた。
そんなこんなで……
社内への説明や、取引先への報告などもまだで。
でも、私達の愛は着実に大きくなっていて、揺らぐことはなかった。
「早くホテル戻って、ひとつになりたい、イチャイチャしたい、ふたりきりになりたい」
爽やかな顔に似合わず、そんなことを言う圭史さん。
「今からパーティーだから、もう少し我慢だよ」
そう言うと、ウエディングドレスの私を抱きあげて、クルクルと回った。
「きゃっ」
「ウエディングドレス脱がすの楽しみ」
こんなに美しい海を見ながらも、エッチな発言ばかりの圭史さんだけど、それは照れ隠しなんだってことわかってるよ。
ふざけてないと、泣いちゃうんだよね。
知ってるよ。
さっき、式の時……
目に涙が溢れてた。
私が父とふたりで歩いて、圭史さんの元へ行く時、泣いてたもんね、圭史さん。