どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~


「今夜、初めてだな」

「あ、ほんとだ」


結婚前に妊娠してしまってはいけない、と誠実に避妊してくれていた。

社長としても、男としても、それだけは守ってくれた。

私のお兄ちゃんの話をしたせいでもあるけど、どんな状況でも、ちゃんとしてくれて、それでますます好きになった。



「我慢して良かったな、俺達」

「ほんとだね。ありがとね」


ヤシの木の下、そんな話をしている私達の後ろから声が聞こえた。



「社長~!小久保~!もうすぐ始まるよ」


吉岡先輩の声だった。

ハイビスカスを頭につけた吉岡先輩の元に走る。


「小久保、今日からあんたのこと何て呼ぼうかな」

「小久保でいいです!」

「社長夫人、って呼ぼうかな」

なんて笑い合う。



いつも支えて、助けてくれた大好きな人。

もう、吉岡先輩も、佐竹先輩って呼ばないといけないのにね。

ふたりは、もう夫婦になっている。


トントン拍子に話が進み、結婚することができたふたりは社内でも有名で、
ふたりに憧れる人はたくさんいる。

私ももちろん、憧れなんだよね。



< 185 / 189 >

この作品をシェア

pagetop