どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「今夜、初めてだな」
「あ、ほんとだ」
結婚前に妊娠してしまってはいけない、と誠実に避妊してくれていた。
社長としても、男としても、それだけは守ってくれた。
私のお兄ちゃんの話をしたせいでもあるけど、どんな状況でも、ちゃんとしてくれて、それでますます好きになった。
「我慢して良かったな、俺達」
「ほんとだね。ありがとね」
ヤシの木の下、そんな話をしている私達の後ろから声が聞こえた。
「社長~!小久保~!もうすぐ始まるよ」
吉岡先輩の声だった。
ハイビスカスを頭につけた吉岡先輩の元に走る。
「小久保、今日からあんたのこと何て呼ぼうかな」
「小久保でいいです!」
「社長夫人、って呼ぼうかな」
なんて笑い合う。
いつも支えて、助けてくれた大好きな人。
もう、吉岡先輩も、佐竹先輩って呼ばないといけないのにね。
ふたりは、もう夫婦になっている。
トントン拍子に話が進み、結婚することができたふたりは社内でも有名で、
ふたりに憧れる人はたくさんいる。
私ももちろん、憧れなんだよね。