どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~

社長、かっこいい。

颯爽と歩いていく後姿を見つめていると、エレベーターの扉が閉まり上へと動き出した。

慌てて2階で降りた私は、もらったメモ紙をゆっくり開いた。

そこには、電話番号とチャットアプリのID、車のナンバーが書かれていた。

とても、男の人にしては綺麗で整った字だった。

私のことを思いながら、これを書いてくれたのかなって思うだけで胸が熱くなってしまう。


社長、ちゃんと考えてくれてるんだ。
優しい。


ほんとに私でいいんですか?



2階のエントランスで、ニヤついていると、数人の女子社員が来たので、私は階段で1階に下りた。


2階は秘書室がある。

相談役、社長、取締役あたりには美人な秘書がついてるんだよね。

今まで、社長と並んで歩く秘書さんを見て何度悲しい気持ちになっただろう。

スタイル抜群で、コツコツとハイヒールの音を鳴らし、社長と並んで歩く。

社長はこういう人を選ぶのかな~なんて、入社した時に思ったっけ。



この中にも、ライバルはいるはず。

社長の近くで働いていれば、わかるもん。
社長の優しさや温かさ。好きになっちゃうよ。


あんな綺麗な人がたくさんいるのに、どうして社長は私を選んだの?




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