どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~


「朝からそんなエロ本読んで、欲求不満じゃないっすか」

「あんたに言われたくないのよ、童貞童顔バカ」

「童貞って、俺の何を知っているんですか。俺だって夜はすごいんですからね!」


このふたりのかけあい、漫才のようなやりとりに笑いをこらえるのが大変。

こんな話をしながらも、しっかり仕事はこなしているふたり。

私は笑ってばかりで手が止まっている。


「小久保も読む?妄想膨らむよ」

「え?いいですいいです」

「今読んでるのが、イケメン社長とドジな社員の話だから、神保社長と佐竹で妄想してんのよ。むふふ」

「勝手に俺使わないでくださいよ!俺、突っ込まれる方でしょ?」

「当たり前じゃん。社長にかわいがられてヒイヒイ言ってるかわいい佐竹……」

「ほんと、あんたエロババアだな」

「何言ってんの?こんな美人で優しい先輩に向かって」


この時間は営業に出ている社員が多く、周りには聞こえていないようだけど、過激すぎ。


でも、こんな職場が私はずっと大好き。


社長とお付き合いする前からずっとこの会社が好き。

今は、もっと好き。


社長がこの会社をどういう風に変えていくのか、楽しみだし、それをずっと見ていたいって思う。



たとえ彼の隣で「奥さん」になれなくても……


でも、それって愛人?

そんなのもいや。

圭史さんには浮気とか不倫とかする旦那さんになってほしくないから。

結婚したら、ちゃんと奥さん一筋で生きていって ほしい。

矛盾してるけど、そう思う。




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