どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
Love8 車の中は甘い匂い
Love8. 車の中は甘い匂い
ゆっくり会えないまま、何日も過ぎた頃。
私の不安な気持ちは伝わっていたのかもしれない。
『今、家?』
突然の電話。
夜の10時を回っていた。
『今から、家行くから、ちょっと会える?』
「いいけど、いいの?」
『俺が会いたいんだから、いいの』
仕事を終えた社長が、社長の重荷を下ろし、ひとりの男として会いに来てくれる。
「ご両親、大丈夫だった?そのうちちゃんと挨拶しなきゃな」
愛車の助手席に乗り、大好きな人の横顔を見つめる。
うちのお母さん、今あんなだし……会わせられないよ。
社長とお付き合いなんて言ったら、また心配して具合が悪くなりそう。
「大丈夫、ありがとね」
家から少し離れた高台で車は停まった。
「トラブル続きで連絡できなくてごめん。明日仙台に出張になってさ。また会えなくなるから、今日会いたくて」
「そっか、忙しいね。大変だった?」
「何とか、解決した。仙台から帰ったら、例の下請けの会社のことで親父と話し合うつもり。そこでまた何かあるだろうな」
仕事を頑張っている人の顔が好き。
疲れたその顔も好き。
「ん?何?」
「あ、いえ。かっこいいなって思って」
「万由も、かわいいよ」
「嘘だぁ。毎日あんな美人に囲まれてるんだから、私なんてじゃがいもくらいにしか見えないでしょ」
「ははは。じゃがいも~?なんだよ、それ。俺がそのじゃがいもが好きなんだからいいだろ。それに、美人ってのは心が伴ってないとダメなんだよ。もう女同士のバトル何回も見てるから、秘書課は恐ろしいよ」
そう言って笑いながら、私の頬に手を当てた。
「じゃがいもなんかじゃない」
「ほんとに?」
頬に当ててくれた手はとても温かい。
「この猫みたいな目も好きだし、笑うとくしゃってなるのもかわいいし、俺がキスしたらすぐにとろとろになっちゃう口も、好き。こうしてるだけで、もう濡れてるお前も、最高にかわいいと思うよ」
「もうっ……圭史さんったら」
圭史さんの指が私の右の耳の中に入っていた。
ゆっくり会えないまま、何日も過ぎた頃。
私の不安な気持ちは伝わっていたのかもしれない。
『今、家?』
突然の電話。
夜の10時を回っていた。
『今から、家行くから、ちょっと会える?』
「いいけど、いいの?」
『俺が会いたいんだから、いいの』
仕事を終えた社長が、社長の重荷を下ろし、ひとりの男として会いに来てくれる。
「ご両親、大丈夫だった?そのうちちゃんと挨拶しなきゃな」
愛車の助手席に乗り、大好きな人の横顔を見つめる。
うちのお母さん、今あんなだし……会わせられないよ。
社長とお付き合いなんて言ったら、また心配して具合が悪くなりそう。
「大丈夫、ありがとね」
家から少し離れた高台で車は停まった。
「トラブル続きで連絡できなくてごめん。明日仙台に出張になってさ。また会えなくなるから、今日会いたくて」
「そっか、忙しいね。大変だった?」
「何とか、解決した。仙台から帰ったら、例の下請けの会社のことで親父と話し合うつもり。そこでまた何かあるだろうな」
仕事を頑張っている人の顔が好き。
疲れたその顔も好き。
「ん?何?」
「あ、いえ。かっこいいなって思って」
「万由も、かわいいよ」
「嘘だぁ。毎日あんな美人に囲まれてるんだから、私なんてじゃがいもくらいにしか見えないでしょ」
「ははは。じゃがいも~?なんだよ、それ。俺がそのじゃがいもが好きなんだからいいだろ。それに、美人ってのは心が伴ってないとダメなんだよ。もう女同士のバトル何回も見てるから、秘書課は恐ろしいよ」
そう言って笑いながら、私の頬に手を当てた。
「じゃがいもなんかじゃない」
「ほんとに?」
頬に当ててくれた手はとても温かい。
「この猫みたいな目も好きだし、笑うとくしゃってなるのもかわいいし、俺がキスしたらすぐにとろとろになっちゃう口も、好き。こうしてるだけで、もう濡れてるお前も、最高にかわいいと思うよ」
「もうっ……圭史さんったら」
圭史さんの指が私の右の耳の中に入っていた。