どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
行為が終わった後の態度でその人の誠意が見えると思う。
私はこんな対応をしてくれる彼氏に出会ったことがない。
優しく体を拭いてくれて、服を着せてくれて、その合間にいろんな部分にキスをしてくれる。
「どうしよう、俺。お前をもっと気持ちよくさせたい」
「もう、気持ちいいです」
「もっともっとだよ。もっとめちゃくちゃにしたい」
「エッチだね」
終わった後の穏やかなイチャイチャタイムも最高に幸せで、やっぱり圭史さんが好きだなって思う。
この気持ちがずっと続けばいいのに。
不安になんかならず、幸せな気持ちでいたい。
「この前ね。先輩が、社長は女の噂がないから男が好きなんじゃないかって話してたよ」
「俺は、社内で余計な噂が立たないように必死で冷たい男を演じてるだけなんだけどな」
乱れた髪を直しながら口をとがらせる。
「佐竹さんっていう男の先輩が、社長は優しいって言ってたよ」
「俺の話題が社員の間で出るってありがたいことだよな。俺は、優しくもないし、かといって冷たいわけでもないと思ってる。頑張ってる社員のことをしっかり評価したいと思ってるんだ。佐竹は、手を抜いてミスをしたわけじゃないから」
「いい社長だね。きっとみんなにも伝わってると思うよ」
「万由がいい噂流してくれてるんじゃないの?」
「そんなことないよ。社長は、社員から愛されてる」
「また、そんなこと言って俺を喜ばせて……万由、ありがと」
頭に乗せられた大きな手。
大好き。
「俺は、救われてるよ。万由に」
サラっと言ってくれる嬉しい言葉の数々。
これを大事に胸にしまって、またしばらく不安と戦おう。