どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
Love9 過去
Love.9 過去
それから数週間、圭史さんは仙台出張からそのまま別の出張が入り、さらに1週間程帰れなくなった。
圭史さんは、【ホテルに戻った。おやすみ】なんてメッセージをくれて私を安心させてくれる。
接待でいろんなお店行くんだろうな、とかいろんなことを考えてしまう。
でも、そんなことで一喜一憂していたら社長の彼女はつとまらない。
「小久保、佐竹、ついてきなさい」
時刻は12時過ぎ。
男前な吉岡先輩がおごってくれると言って、会社の近くにできた牛タン専門店へランチを食べに行くことになった。
「気持ち悪いっすよ。なんか裏があるんでしょ?俺に誰かを紹介するとか」
「あはははは。そうそう。私の大好物、イケメン社長系の人ね」
「まじっすか。ほんと勘弁してください」
「大丈夫、妄想だけだから」
「妄想だけでもやめてくださいよ。俺、吉岡さんの頭の中ではどんなことしてんすか」
またまた盛り上がるふたり。
「え~っとね。昨日は、首輪つけられて、おねだりしてた」
「ほんと、殴りますよ!!俺、普通なんすから」
「普通って何?この、ジェンダーレスな時代に、何言っちゃってんの?社内にだって、いろんな人がいんのよ。ゲイもいればレズ ビアンもいて、そんなの当たり前な世の中こそが普通だわ」
こんなことを堂々と言えちゃう先輩ってやっぱりかっこいい。
「牛タン定食大盛り3つね」
勝手に注文しちゃうところもかっこいい。
「吉岡先輩、好きな人とかいないんですか」
私は運ばれてきたサラダを口に運びながらサラリと訊いてみた。
「気持ち悪い質問すんな~!吉岡さんの恋愛とか気持ち悪いだろ」
と佐竹さんはふざけて口を挟む。
「うっせー、エロガキ。そりゃあ、この美貌だからさ、恋のひとつやふたつはしてきたけどさ。なかなかいないんだよね。素敵な人って結婚してたりするし」
「まさか、不倫っすか」
「うるさい、黙れ」
佐竹さんは頭にチョップされ、大げさに痛がった。
「実はさ、神保社長と付き合えるかなって思ったことあるんだよね」
「!?」
思わず噛んでいた牛タンがのどに詰まりそうになった。
ポカンとしている佐竹さんは、噛むことも忘れている。
「なんすか、それ」
「むか~し、むかしのことでした」
と誤魔化す吉岡先輩に私はかぶせ気味に言った。
「っ好き……だったんですか?」
考えたことがある。
私が男だったら吉岡先輩のような女性を好きになるだろうなって。
外見だけじゃなく中身も美しい人。
「あんた、食いついたね」
「吉岡先輩、社長みたいな人が好きなんですか」
「いやぁ、そうでもないんだけどさ。まだ社長に就任する前で一緒に仕事したことがあったのよ。私がまだピチピチの新人だったんだけど、この通り私ってなんでもズケズケ言うでしょ?」
うんうん、その通りだ!と佐竹さんは頷いた。
「社長の息子だかなんだか知らないけど、私は普通に接してたのよ。生意気だったと思うわ。でも、あの人も感じ悪くて、言い合いになったことがあるの。で、周りも巻き込んで、プロジェクト終わった後に飲みに行こうってなって」
この先、どんな話が待っているんだろう。
吉岡先輩と圭史さんは、いい関係になったのだろうか……
聞きたくないけど聞きたい。
聞きたいけど、聞くのが怖い。
それから数週間、圭史さんは仙台出張からそのまま別の出張が入り、さらに1週間程帰れなくなった。
圭史さんは、【ホテルに戻った。おやすみ】なんてメッセージをくれて私を安心させてくれる。
接待でいろんなお店行くんだろうな、とかいろんなことを考えてしまう。
でも、そんなことで一喜一憂していたら社長の彼女はつとまらない。
「小久保、佐竹、ついてきなさい」
時刻は12時過ぎ。
男前な吉岡先輩がおごってくれると言って、会社の近くにできた牛タン専門店へランチを食べに行くことになった。
「気持ち悪いっすよ。なんか裏があるんでしょ?俺に誰かを紹介するとか」
「あはははは。そうそう。私の大好物、イケメン社長系の人ね」
「まじっすか。ほんと勘弁してください」
「大丈夫、妄想だけだから」
「妄想だけでもやめてくださいよ。俺、吉岡さんの頭の中ではどんなことしてんすか」
またまた盛り上がるふたり。
「え~っとね。昨日は、首輪つけられて、おねだりしてた」
「ほんと、殴りますよ!!俺、普通なんすから」
「普通って何?この、ジェンダーレスな時代に、何言っちゃってんの?社内にだって、いろんな人がいんのよ。ゲイもいればレズ ビアンもいて、そんなの当たり前な世の中こそが普通だわ」
こんなことを堂々と言えちゃう先輩ってやっぱりかっこいい。
「牛タン定食大盛り3つね」
勝手に注文しちゃうところもかっこいい。
「吉岡先輩、好きな人とかいないんですか」
私は運ばれてきたサラダを口に運びながらサラリと訊いてみた。
「気持ち悪い質問すんな~!吉岡さんの恋愛とか気持ち悪いだろ」
と佐竹さんはふざけて口を挟む。
「うっせー、エロガキ。そりゃあ、この美貌だからさ、恋のひとつやふたつはしてきたけどさ。なかなかいないんだよね。素敵な人って結婚してたりするし」
「まさか、不倫っすか」
「うるさい、黙れ」
佐竹さんは頭にチョップされ、大げさに痛がった。
「実はさ、神保社長と付き合えるかなって思ったことあるんだよね」
「!?」
思わず噛んでいた牛タンがのどに詰まりそうになった。
ポカンとしている佐竹さんは、噛むことも忘れている。
「なんすか、それ」
「むか~し、むかしのことでした」
と誤魔化す吉岡先輩に私はかぶせ気味に言った。
「っ好き……だったんですか?」
考えたことがある。
私が男だったら吉岡先輩のような女性を好きになるだろうなって。
外見だけじゃなく中身も美しい人。
「あんた、食いついたね」
「吉岡先輩、社長みたいな人が好きなんですか」
「いやぁ、そうでもないんだけどさ。まだ社長に就任する前で一緒に仕事したことがあったのよ。私がまだピチピチの新人だったんだけど、この通り私ってなんでもズケズケ言うでしょ?」
うんうん、その通りだ!と佐竹さんは頷いた。
「社長の息子だかなんだか知らないけど、私は普通に接してたのよ。生意気だったと思うわ。でも、あの人も感じ悪くて、言い合いになったことがあるの。で、周りも巻き込んで、プロジェクト終わった後に飲みに行こうってなって」
この先、どんな話が待っているんだろう。
吉岡先輩と圭史さんは、いい関係になったのだろうか……
聞きたくないけど聞きたい。
聞きたいけど、聞くのが怖い。