どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~

「で、ヤラれて捨てられたんすか?」

「な、わけないでしょーが!それなら男好き扱いしないよ」

あ、そうか。
ゲイ疑惑持つくらいなんだから、吉岡先輩はフラれたのかな……。


「当時の彼は結構弱っててさ、かわいそうになっちゃって。悩み聞くよって何度かふたりで飲みに行った。年下の私に言われてもって感じだろうけど、プライド高いお坊ちゃんだから弱音も吐けなかったんじゃない?」


吉岡先輩と圭史さんの会話、なんだか面白そう。

そこに恋愛要素が絡むと嫌だけど。


「好きになりそうだって言われたの。でも、当時の私は時期社長に決まってるような人と付き合う気もなかったし、バッカじゃないの!って言ってやった」

「…………」 


圭史さん、本気だったんじゃないかな。

私にオアシスを求めるように、吉岡先輩のように何でも話せる存在を求めていたんじゃないかな。


私に出会う前の話だから、嫉妬してもどうしようもない。

気にならないわけじゃないけど、その時、圭史さんはどう思ったんだろう。



「で、金持ち狙ってる私の友達と合コンしたのよ。美人揃いでね。社長の連れてきた人はみんな御曹司とか金持ちばっかりだったんだけど、まああのルックスだから社長狙いになるわよね。みんな必死だったけど、誰にも落ちなかった。酔って、押し倒した子もいるけど、エッチもしてくれなかったって」



それは、きっと……


「それ、吉岡さんのこと好きだったから、他の子にいかなかったんじゃないっすか?」


うん。
私も佐竹さんと同じことを思った。





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