どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
Love10 恋心 ~佐竹SIDE~
Love.10 恋心 




~佐竹SIDE~


何が、結婚する気ないだよ。

何だよ、それ。
勝手に決めんな。


忘年会で酔っ払って、絡んできて、キスなんかして。

バッカじゃねぇの。

「あんたあたしの忠犬だから」なんて言って。


俺がどんな気持ちか知ってんのかよ。


俺は、佐竹裕也(さたけゆうや)。

28歳 。

新人研修で、吉岡さんに出会ってからずっと彼女の呪縛から逃れられないでいる。

新人研修で大あくびをした俺を怒鳴りつけたのが彼女だった。


吉岡瑞歩(よしおかみずほ)。

俺より2年先輩である彼女は俺達営業部新人のお世話係だった。

上司に怒鳴られ、凹んでいた俺を飲みに誘ってくれた。


社会に初めて出て不安で仕方なくて、挫折して……
自信もなんもねぇ俺の前にいつもいたあの人は、俺にとってはの女神のような人だった。


「佐竹、あんたバカじゃない?新人でいきなり仕事できるヤツいると思うか?」


飲みに行った居酒屋でいきなりの説教。


「自意識過剰なんだよ。佐竹のこと考えてるヤツ、会社にひとりもいないから」

とか

「失敗して凹む暇あったら、勉強しろ」

とか

「そのかわいい顔でペコペコしてりゃ、結果は出る」

とか、不安だった俺にはどの言葉も響いて、酒のせいもあり泣いてしまった。





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