どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
吉岡さんは 、スレンダーな長身。
日本人離れした美人。
黙ってりゃモテんのに、なんでわざわざこんなこと言うんだろうって考えた。
それはさ、優しいからなんだ。
自分のことより相手のこと考えてくれてるから、嫌われてもいいから言いたいことを言う。
そんな人、俺の周りにはいなかった。
初めてだった。
この気持ちが、恋だとは思ってなかったし、今でも認めたくはない。
信頼できる先輩であり、憧れの存在。
それくらいでありたかった。
でも……
全然おもしろくないんだよ。
他の女の子と遊んでても。
刺激がないっていうか。
求めてしまうのは、吉岡瑞歩だった。
あの人なら、こう言うだろうな、とかあの人ならここで怒るんだろうな、とか。
大学ではハンドボール部で日本代表にも選ばれるかもしれない、という実力だった。
まぁ、選ばれてはいないんだけど。
そんな俺は、普通にモテてたし、彼女もいたし、浮気も簡単にできた。
浮気して、バレて別れて、また新しい彼女ができて、別れて。
そんな繰り返しだったから、会社に入っても、社内のかわいい子みつけて付き合ったりできるかなって考えてた。
人気のある会社に入れたことで、俺は完全に舞い上がっていて。
そんな俺の鼻をへし折ってくれた吉岡さんには感謝しかない。
あのままの俺だったら、この会社に何も貢献できなかったと思う。
何年かして会社辞めていたかもしれない。