どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
心臓が飛び出るくらいに緊張していたけど、それ以上に今日の俺は勇気が出る。
「無理しないでください。辛いときは辛いって言ってください。俺の前では泣いてもいいですよ」
吉岡さんの腕が俺の背中に回された。
もう、止められない俺……
「佐竹、バカ……」
「あのキスの続き、していいですか」
返事を待たずに、俺はキスをした。
お酒の匂いのキスは、あの日と同じだった。
ただあの日と違うのは、俺からキスをしたこと。
そして、何度も何度も唇を重ねたこと……
「……っ、佐竹、先輩に舌入れるの反則じゃない?」
「後輩に舌絡めてくるのも反則じゃないですか」
クスクスっと笑った吉岡さんに俺はまたキスをした。
舌の先の神経が、吉岡さんの柔らかな舌を感じていた。
好きです。
好きです。
その想いを込めて、舌と舌を絡めた。
「キス、上手だね」
そう言われて、俺はもっと激しく舌を絡めた。
舌の根元まで舌を押し込んでいると俺の右手は吉岡さんの胸元へと伸びていた。
「あたし、好きな人としかエッチしないから」
そう言って、俺の手をそっと胸から離す。
「俺も、同じ」
腰に手を回し、耳元に唇を近づけた。
「吉岡さん、俺にもっと心開いてよ」
「ん……こんなことしながらよく言うね」
「吉岡さんが悪いんですよ。俺は真剣に話がしたかったのに」
首筋に舌を這わすと、のけぞるように吉岡さんは感じていた。
もっと、先にいきたいと思うけど、心が伴わないエッチは悲しいだけだと知っている。
「すいません。続きは、また今度にします」
「こんなにその気にさせといて、逃げるの?」
「えっ……」
また吉岡さんの方から俺にキスをした。