どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
エッチの後、圭史さんがよく言うセリフ。
「あんまり俺に惚れるなよ」
その先に続く言葉は何?
『俺は決められた相手とお見合い結婚するから』という言葉が浮かぶ。
愛してるから、私はただ頷く。
社長の心の闇を知っているのは、世界でただひとり私。
それだけでいい。
社長のそばにいられなくても……
私は身分違いの恋をしてしまっただけ。
振り向くと、山のような書類があって。
あの日と同じ。
初めて、社長を好きだと認識したあの日。
あの日、残業していなかったら、私は社長の本当の姿を知らないままだったかもしれない。
デスクの上でひとつになった私達は、窓から夜景を見つめながら、体を絡ませていた。
「あ、そうだ。来週のイベントの案内状、できたんだ。持ってくるよ。すぐ戻る」
社長室に案内状を取りに行った社長を待っている間、私は思い出していた。
あの日も金曜日だった。
私の恋が走り出してしまった4か月前。
ここまでくるのに、本当にいろんなことがあった。