どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「佐竹さんと吉岡先輩、つき合ちゃう感じですか」
「同じ会社だからねぇ、なかなか難しいと思うんだけど、このままだとセフレになりそうだし、それは嫌なの」
ふたりはとてもお似合いだ。
付き合えば、相性は抜群だと思う。
「上司じゃないし、既婚者でもないから、いいんじゃないですか?吉岡先輩なら普通に違和感なく接することができそうだし」
「どうだろうね。佐竹がそれを望んでるのかわかんないけど」
「そりゃ、望んでますよ。もう、頭の中吉岡先輩のことだらけだと思いますよ」
とそんな話をしてから戻った昼休み後、朝から外出していた佐竹さんが戻ってきた。
「おつかれ~っす」
隣にいる吉岡先輩の様子がおかしい。
「あっ。おつ、かれさま~。あ~今日も忙しいね」
席を立ち、用もないのにFAXの確認にコピー機の方へと行く。
挙動不審!!
こんな風になっちゃうんだぁ吉岡先輩、かわいい。
「佐竹さん、お疲れ様です」
「あ、お疲れ」
目をそらす佐竹さん。
エッチがうまいと聞いた後だったので、なんか想像しちゃう。
こんなお目目くりくりの童顔君なのに、夜は豹変しちゃうのね。
「え、何?」
「いえ、何もないです」
ふたりの衝撃の事実を知ってからしばらくは、圭史さんに会えない寂しさを忘れることができた。
大事な人の恋愛を応援するって楽しいんだなって。
でも、あの様子を見ていると、吉岡先輩も佐竹さんのことを好きになると思う。
というか、
もう好きなんだろうな。
私の恋と同時に、ふたりの恋もうまくいってほしいと願う。
一緒に働いているとその人のことが本当によくわかる。
佐竹さんも吉岡先輩も、私は大好きで、信頼している。