どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「傷ついても、辛くてもいい。泣いてもいい。隣に圭史さんがいてくれるなら」
「いるよ、絶対。俺は、お前に出会って、自分を変えたいって思えたから。レールの上をただ走ってるのは楽だけど、全然楽しくない。脱線してもいいから、自分の力で進みたい」
私に出会ったことで、圭史さんの人生を狂わせちゃうんじゃないかと心配にもなる。
と、同時に、絶対に幸せにしたいって思った。
幸せにしてほしい、じゃなく……
「私が幸せにしたい」
「ふふ、頼もしいな。もっと惚れちゃうじゃん」
「きっと……今までたくさん辛かったよね。やりたいことできずに、勉強したり、プレッシャーに押しつぶされそうだったんじゃないかと思う。圭史さんは本当にたくさん頑張っている人だと思う。だから……私が、大丈夫って思えるように支えたい。圭史さんを守れるようになりたい」
母性本能を感じたのは初めてかもしれない。
男性に対してこんな気持ちになるなんて。
「万由……泣いちゃうよ俺」
「泣いていいよ」
私の胸に顔を埋めた圭史さん。
頭を撫でてあげると、私の胸に顔を押し付けた。
きっと、こんな風に弱音を吐くことってできないんだろうな。
社長だもん。
不安でも、強くいなきゃって、頑張ってたんだよね。
「いつでも、こうして私の胸で弱音吐いてね」
「ありがと。でも、万由のおっぱいに反応しちゃう、俺」
いたずらっこのような目で私を見上げる。
「あ~、噓泣き?」
「嘘泣きじゃない。ほんとに万由の胸でしか俺泣けないから」
少し潤んだその瞳を見ていると、またぎゅっと抱きしめてしまう。