どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~


ゆっくりできる座敷の個室居酒屋。


「聞いて、小久保。佐竹のヤツ、元カノと連絡してんだって。捨ててやろうかな」


あれから、順調に愛をはぐくんでいるふたりだけど、喧嘩も多い。

ビールをグイっと飲む相変わらず男前な吉岡先輩は、顔を赤くして続けた。


「ないよね~!」

「それはないですね。自分から暴露したんですか」

「そうそう。私の過去を聞いてくるから、あんたこそどうなのよ!って言ったら、自分で言っちゃった。高校時代の彼女と連絡取ってますって。バカじゃないの?」


高校時代の彼女と聞いて、それならまだ安心だと思った。

高校時代って誰でもキラキラしていて青春で。

宝物みたいな思い出だと思う。
その彼女と連絡ってのも、『久しぶり~!元気?』みたいなのじゃないのかなって。


「どんな内容なんですか?」

「知らない。嫉妬してるみたいで悔しいし、聞いてない」

ぷりぷり怒ってる顔がかわいい。


「佐竹ってさ、顔かわいいからモテるだろうと思ってたんだけど、なかなか男らしいイイ男なのよね。私が言うのもなんだけどさ。優しいっていうのとまた違うというか、う~ん。なんかモテるのがわかる気がして。だから、私の方が弱くなってて、悔しい」

こんなことを言う吉岡先輩がかわいくて、ニヤけてしまう。


「何笑ってんの?人が真剣に言ってんのに!」

「ふふ」 


顔を真っ赤にして怒る姿に、また笑ってしまう。


恋は人を変える。

私も何か変わったのかな。


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