どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
病気になる前の私は、私は綺麗でおしゃれな人が好きだった。
だから、キラキラした派手な先輩について、クラブやコンパにも顔を出した。
かわいがってくれていたけど、あの発言でわかった気がした。
私は、都合のいい後輩だったんだな、と。
人数が足りないコンパにはちょうどいい存在。
本当に私のことを大事に思っていてくれたのならあんなことは言えるわけがない。
子宮や卵巣系の病気にはまだまだ誤解があるのもわかっているし、みんな間違った知識を持っている。
そこを訂正する気にもなれなかった。
それから入院して3週間のお休みをもらって復職してからは派手めのあの先輩とは距離を置くようになった。
その時助けてくれたお局さん的存在だった方の先輩は、今も私の体を心配して時々連絡をくれる。
結婚して子供を産むときに家庭に入るため退職してしまったけれど、私はあの時の恩は一生忘れない。
病気になると、いろいろわかる。
ほんとにね。痛いくらいに。
それから、私は人を外見で判断しない。
人の噂は信じない、と決めている。
そのことで私の視野も広がり、仕事もうまくいくし人間関係もスムーズにいく。
今までなら絶対に友達にならなかったようなタイプの子にも積極的に話しかけるようになった。
だから、こんな面白いBL漫画にも出会えたしね。
誰かが好きなものを否定しない、ということはとても自分にとってプラスだった。
興味ないよ、で終わらせず、どうしてそんなに好きなの?と聞いてみると、私の世界も広がる。
変わった私を、私自身はとても好きになれた。
ただ、恋愛に関しては、本気にならないようにと自分で自分を抑えてしまっている。
だってさ、子宮ないもん。
子供できないもん。
最初からそれがわかってる女と結婚したい男なんている?
まぁ、佐竹はそれでも私がいいって言ってくれてるけど、それもいつまでそう思ってくれるかわからない。