どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「小久保、絶対に離しちゃだめだよ。反対されても、妨害されても、結婚するんだよ」
大好きな後輩だから、私は何があっても守ってあげたい。
小久保を不幸にするようなことがあったら、社長のこと許さない。
「後悔はないですか」
「まったくないというのも嘘になるけど、ん~、1回くらいヤッときゃ良かったかな、くらいだね」
「吉岡先輩~!!」
あたしの手を握り、ぶんぶんと振り回して笑う。
この子は良い子。
「ごめんごめん。でも、友達として付き合ってきたから、社長のことはある程度わかる。小久保に似て、まっすぐで嘘のないヤツだと思う。だからさ、信じていいと思うよ」
未練なんてない。
これは本当に。
ただ、付き合っていたらどんな社長が見れたんだろうってのは考えちゃうね。
未練がないのかって、佐竹にも何度も聞かれた。
ないって言っても信じないから、いろいろ言っていじめてやるけど。
あたしは、佐竹に会って、等身大の自分でいられる幸せを知った。
最初から病気のことも知ってるし、それでいいって言ってくれるんだから、そこはもう引け目に感じる必要ないんだって。
「余計なお世話かもしれないんですけど、どうしてもふたりにもう一度会って話してほしいって思うんです。それがどういう心境なのか自分でもわからないけど、このままじゃだめな気がして」
「小久保、あんた優しいね。でも、小久保がイヤじゃない?あたしはどっちでもいいけど、あたしがあんたならそんなのイヤだもん」
そう言ってみたものの、小久保の意思は固かった。