年下セフレはクールな部下
ううん。夫がそう言うのであれば、そう思うしかない。

私は、水を出しながら、ひたすら食器を洗った。


「金子さん、手、止まってますよ。」

ハッとして後ろを見ると、そこには三好君がいた。

「ああ、ごめん。」

書類を整理しようと、書庫に来ていたんだっけ。

嫌なところを、見られてしまったな。

「何かあったんですか。」

隣に三好君が来る。

「何も。何で?」

「いや、最近金子さん、ぼーっとしている事が多いんで。」

何でそんなところ、気づくかな。

「もしそうだとしても、放っておいてよ。」

すると、三好君に横から、抱きしめられた。

「放っておけないんで。」

窓から静かな風が吹いて、私は身体が固まっていた。
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