年下セフレはクールな部下
そして、落ち込んでいる姿は、直ぐに三好君に伝わる。

「何かあったんですか?」

「ん?」

セフレを断ってから、彼との仲もギクシャクしている。

何なんだろう。

人間関係がこじれる程、疲れる事はない。


「鈴音さん、書庫行きましょう。」

「えっ?」

急に手を引かれ、階段で書庫まで行く。

書庫のドアを開くと、三好君は私を押し込んだ。

「ちょっと、どういう事?」

「いいからいいから。」

ドアを閉めた三好君は、ついでに鍵まで閉めた。

「……ヤりたいの?」

「やだな。抱きたいんだよ。」

ああ、また性欲のはけ口かと思ったら、三好君に抱きしめられた。

その瞬間、三好君の香りが、ふわっと漂った。

「何してるの?」

「抱きしめてるの。鈴音さんの心を。」
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