隣のブルーバード
 きっと、心臓に持病があるご主人の体調も考えてのことだろう。
 わたしが口を挟めるようなことではない。

「わかりました。とても残念なお話ですけど」

「それでね。沙希ちゃんの勤め先がないかなと思って、いろいろ当たってたときにね」

そう言って、幸恵さんは大きめの封筒を、わたしの目の前に置いた。
 
 中には、台紙付きの写真。
 開いてみると、どこかで見たことがある男性が笑顔で写っていた。
< 30 / 68 >

この作品をシェア

pagetop