隣のブルーバード
「市場の取り引き先の跡取りさんなの。白川貴司さん。31歳ですって。前に沙希ちゃんと一緒に、何回か市場に行ったことがあったでしょう? そのとき、可愛い子だなって思っていらしたそうなの。もし、沙希ちゃんが差し支えなかったら、機会を設けてもらえないかって」

「それって……お見合いってことですか?」

「そういうことになるかな。とても真面目でいい人よ。でも、そんなに堅苦しく考えないで。合わないと思ったらお断りしてくれればいいから」

 うーん、どうしよう。
 お見合いなんて、一度も考えたこともないし。

「あ、もしかして、お付き合いされてる人がいるのかな?」

「いえ、そういうわけでは……家に帰って、父母に相談してからお返事します」
「そうね。お返事待っているわね」
 
 わたしはとりあえず写真を預かった。
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